ハート交換

お店は10時に開店する。


クレープ生地を作るところがガラス貼りになっているので、人の視線が苦手ななみかは、段々と顔が青ざめていく。



それに気がつかず俺は必死に慣れない手つきでクレープ生地を作っていた。



ガタン



突然隣で大きな音がしたと思ったら彼女が床に倒れていた。



「水沢!大丈夫か・・・・」



彼女を抱き起こそうと俺が片手を伸ばした時、修一が横から彼女を両手で抱き抱えた。



「ちょっと奥で休ませてくる。」



修一は、軽々と彼女を持ち上げ店の奥に消えていった。



直ぐ様、後を追いかけて行きたかったのだが、お客の注文が途切れることはない。



隣で客の注文通りクレープを作っていた恭子が少し不満を洩らす。