涙が止まらなかった。

安堵も、恐怖も、何もかもが名前をなくしていた。



どうして。

どうして。

どうして・・・こんなひどいことが叶うの?

どうしてこんなにも愛しいものをなくさなければいけないの?







『君は・・・留学生だね?言葉は分かる?』



うなずく。



私たちの父くらいの年だろうか。

立派な軍服の男性が私の肩に手を置いた。





『予定より早く着くことが出来てよかった。』



彼は、安堵した表情で微笑んだ。



『3日のうちに、君たちをここから出すよう、軍の上層部から指令が出ている』