屋根裏は冷える。

彼女の上に、上着を掛けた。


抱かれたばかりとは思えないほどのあどけない寝顔に、軽く指を寄せる。

赤く火照った頬だけが情事の名残を見せていた。



「・・・マルゴ王妃、か」



誰が言い出したのか分からない。

でも、とびきりぴったりの二つ名。



男好きの王妃の名にふさわしく、彼女のベッドでの振る舞いは妖艶だった。




甘い吐息。

背中に刻まれるつめ。

震える腰つき。




その全てがなまめかしく、ぞくぞくした。

思い出すだけで、ぐらりと身体がふらつきそうになるほどに。


いや、実際、思い返すだけで、腰が浮く。

男とは、そういうものだ。


・・・自分でも腹が立つけれど。






星が不気味なほど明るい。