静かに静かに、アレンは、私を抱いた。

私は、一つ吐息をつき、アレンを受け入れた。


甘い熱がわき上がる。

鼓動が重なる。

荒い息の色さえ、同じになって溶け合っていく。




その行為の中で、私は深い安らぎに包まれていた。

自分の全てがアレンのためにあるような気さえしていた。

身体の奥から貫いてくる甘やかで熱い痛みがひどく愛おしかった。


私の名前を耳元でささやくアレンの背中につめを立てる。

消えてしまわないように。

私がいなくなってしまわないように。




どうしてだろう?

泣きたいほどアレンが愛おしかった。

自分の全てが変わっていく夜の温度さえ、身体に刻みたいと思った。



「力、抜けるか」

「ん・・・っ、や、無理・・・みたい」

「全部、俺に預けて」



アレンの動きが速くなる。

痛みと愛情が溶けていく。


苦しくて、泣きたいくらい愛しい。