アレンは、一度キスをやめた。



屋根裏の天窓から、星明かりが差し込んでいる。

アレンの端整な顔立ちがぼんやりと照らされ、切ないほどの愛しさがあふれ出す。



静かに、アレンが口を開いた。




「・・・俺、死ぬのが怖いんだ」

「ア、レン・・・」

「かっこわりぃだろ?・・・でも、本当なんだ」




アレンが、左目をかすかに歪ませる。



「未練残して死ぬのが怖い。何も思わずに死ぬには、俺はたくさんのものを好きになりすぎたから」


だから、とアレンがささやいた。





「お前くらいは、悔いなく愛させてくれ」





そして・・・わずかにためらった後、アレンは覚悟を決めたようにまたキスをした。




そのキスは、やっぱり顔を傾けるいつもの姿勢で。

でも、やっぱり違っていて。




キスはどんどん激しくなった。