「好きだよ」


そう口にしながら、俺はナタリーの身体を横たえた。






ずっと抑えてきた。


俺は、あんまりナタリーのことが好きだから、一度彼女に触れてしまったら、めちゃくちゃにしてしまいそうで怖かったから。



だけど、それは、ロルフに奪っていいと判断させるためではなかった。

彼女を奪われるためではなかった。




全てかき消してやる。

ロルフにキスされたことなんて、すぐに忘れさせてやる。



そのくらい激しいキスをしたかった。







ほの暗い星が、ナタリーの髪を薄く照らしていた。