そして、ついに迎えた放課後。


ドキドキしながら生徒会室の扉を開けると、すでに美咲と一年の男子役員が来ていた。


「凛、見たわよー。

文化祭の最後、黒崎先輩と踊ってたじゃない」


部屋に入るなり、美咲にニヤニヤしながら聞かれた。


「う、うん」


どうしよう。


美咲には話した方がいいのかな?


「どういう流れ?

申し込んだの?

申し込まれたの?」


「えっと、あの……」


どうしよう。


顔が熱い。


私って顔が赤くなりやすいから、バレバレなんだよね。


恥ずかしくて、うつむいていると。


「それを言うなら、お前らもだろ?」


ビクッとして声のした方を見ると、入口に黒崎先輩が立っていた。


「久保田と田辺。

お前らだって、仲良さそうに踊ってたじゃないか」


「え……?」


美咲と田辺君が?


「えっ、気づいてたんスか? 先輩」


「うそー! 恥ずかしい。見られてたんだ」


二人が慌てている。


「ねぇ、美咲。どういうこと?」


ワケがわからなくて尋ねると。


「まぁ、そういうことなのよ。凛」


「そういうことって?」


「私と田辺、付き合う事になったから」


そう言って美咲は、にっこりと笑った。