歌姫桜華





「じゃあ、行くよ?」



 紺が木材を持って、俺は見るだけ。


 美藍ちゃんは軽くストレッチをしてから、そう言った。




「ふぅ……」


 浅い深呼吸をしてから、美藍ちゃんは瞳を鋭くして木材を見つめた。





 ゾクッ……


 少し、手が震える。





 なんだ、あの雰囲気は。


 小学生の女の子が出せるオーラじゃねぇぞ。




 あれはまるで、“殺気”―――






「紺くん、安心してね」



「え?」




「絶対紺くんに、傷、つけたりしないから」





 そんな断言までして、美藍ちゃんはさらに目を鋭くした。