歌姫桜華









「私も……」




 彼女の髪が、少しだけ揺れた。









「私も、……好き」








 顔を赤く染めて、目には涙をためて、


 ポツリと呟くように小さな声で微笑みながら言った静久ちゃん。





 その笑顔は幸せそうで、今まで見た表情の中で一番綺麗だった。







 手は震えていて、ポロポロと溜まっていた涙が溢れ出す。



 そんな彼女を愛おしく思う。







 彼女の好きが、俺の好きと

 重なった―――――…