歌姫桜華





 「ね?」と腕を掴まれ、私は「やめてください」と怯えもせずに振り払った。






 金髪と赤髪の二人は、その行動に「チッ」とわかりやすく舌打ちをする。






 ナンパ、いっつも成功してきたんですか?



 断られたこと、一回はあるでしょ?バカじゃないの?







 それとも私が怯えるとでも思ったの?



 それならごめんなさいね。私、こんなことで震えないの。怖くないの。








「いーから、黙ってこっち来いよ」




「聞こえてなかったの?嫌って言ったの」






「ちょっと可愛いからって、調子乗ってんじゃねぇよ」




「可愛くないし、調子にも乗ってない」