歌姫桜華






 もう一度時間を確認するためスマホの画面を見ると、9時半になっていた。




 意外と時間経つの早いな…。





 これなら、あと30分をあっという間だね。





 そんなことを考えていると。









「ねー、君。誰待ってんのー?」



「俺らと遊ばない?」









 私にナンパしてきた男二人組。



 ……なんで私にナンパ?私、こんなブスなのに、なんで?!





「い、いや……結構です。

 ナンパするなら他の人に……」




 二人から一歩離れ、私はおずおずと言った。