歌姫桜華





 私と咲久も、あんなふうに遊んでたなぁ…。




 ま、私たちの場合は、私が笑みを浮かべるほうで、咲久が困った顔をする方だったけど。





 後ろを子犬みたいについてくる咲久と、その行動に若干姉みたいな気分を味わっている私。





 今じゃ懐かしくて、笑っちゃう。







 ―――今は、逆だね。






 咲久が笑ってて、私が困ってるね。




 変化することは怖くない。






 でも、変化したあとが怖い。……なんて、弱いな…私。






 もしかしたら私は、従姉弟っていう関係から、幼馴染っていう関係から、友達っていう関係から、逃げ出すのが怖い…ううん、逃げ出したあとが怖いのかもしれないな…。