歌姫桜華



 私だって、見えてないもん。



 あんたら3人の顔。






「強くなれよ。……あ、でも、さっきみたいなのはナシ。



 そうだな……。





 大切なもののために、強くなれ。



 守りたい、そう思うものを見つけろ。







 そしたら、きっと強くなれる」






 私はそう言い残し、また前へ歩き始めた。





「あいつ、なんだったすかね……」


 3人がゆっくりと立ち上がった。


「あんま痛み感じなかったし…」


「俺ら、強くなんなきゃな」