「なに立ち止まってんの?ほら、学校行こうよ」 「あ、うん!」 いつの間にか結構先を歩いていた咲久に私は駆け足で追いついた。 私たちが通っているのは、普通の公立高校。 最初は、お母さんとお父さんに「常和高校に行け」って言われてたんだけど、常和高校って結構偏差値高いんだよね。それに寮生活だし。 学力は平均だし、一人で生活なんて絶対できない。 そう思った私は、家から一番近くの公立高校に決めたんだ。そしたら偶然、咲久も一緒だった…ていうね。 「…朱綾」 「なに?」 「好きだよ」