歌姫桜華



「美藍ちゃん、座れば?」


「……奏多、昨日から思ってたんだけど、……美藍でいいよ?」



「え?」


「美藍ちゃん…なんて、長くてめんどいでしょ?」



「フッ…わかった。美藍って呼ぶね」



 え?なんで笑ったんだろう。


 不思議だ…。


 私は「ありがと」とニコッと微笑みながら言うと、


 5人全員が私から顔を背けた。


 …なにやってんの?こいつら。



 美橙まで背けやがって。



 若干、桜華スイッチが入ってしまったので、


 私は深呼吸をして、スイッチを切った。





「…昨日、お前が帰ったあと、俺らで話し合ったんだが――――――」




 いきなり和也が話だし、みんなは静かになる。

 …大事な話、なのかな?