歌姫桜華







 やっと着いた懐かしの龍華の倉庫から、ざわざわと話し声が聞こえる。笑い声も。





 楽しそ…。フフッと私は笑みをこぼした。






 みんな、私のことを見たらどんな顔するかな?


 驚く?騒ぐ?抱きしめる?




 …全部予想できちゃう。





「すぅ、はぁ…」





 深呼吸を繰り返し、私はまた歩き出した。一歩、また一歩。倉庫へと入っていく。








「…た、ただいま!!!!」







 大きな声でドキドキする気持ちを抑え、私は言った。