歌姫桜華




「……なに?なんかキモイ」




「は!?キモイってなんだよ!!」




「で、用件は??」





 私はココアを一口飲んでから、奏多をじ…っと見つめる。






「え、えっと、さ、サイン書いてほしくてさ…」





 若干ニヤけつつも、後ろに隠してた色紙と黒ペンを差し出してきた。





「さ、サイン…??」



「そ!!MIRIAの直筆サイン!!俺ずっと欲しかったんだよねぇ」




 そういえばこいつ…ファンだったっけ?テレビに映ってたっけ?



 目をキラキラと眩しいほどに輝かせながら、私を見つめるそれは、早く早く!サインが欲しい!と言わんばかりの瞳だった。