ある教室の前で、町村さんは立ち止まった。
ここが…この教室が……2-S…。
「合図したら、入って来てください」
頼むときは、敬語の町村さん。
やっぱり私が桜華だったからかな?
「わかった」
「…あ。それと……このクラスには甲羅がいるから」
「え…」
町村さんはそう言い残して、教室に入ってった。
甲羅【コウラ】――――それは、全国NO.1の族。
どうして…。
ここは不良高校だけどさ。
でも…甲羅なんて――――――。
「美橙がいるかもしれない……」
嫌われてるのに。
弟の美橙に会っちゃったら…どうしよう。



