天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

「とにかく、ああいったことは困ります。


私は二度と、姫にお会いするつもりはありませんので、ご理解いただきたい」




「クオン様」




「話はもう終わりです」





クオンは切り口上に会話を終えると、素っ気なく話の相手を帰らせたようだった。




相手の男が立ち去るらしい足音と、クオンの深い溜息が聞こえる。





しばらく経ってから、クオンのゆったりとした足音がこちらに向かってきた。






(………あっ、見つかっちゃう)




アスカは焦りを覚えたが、今さら逃げ場はなかった。





「………っ、誰だ!?」





人影に気づいたクオンが、鋭い声をあげた。




アスカはびくりと肩を震わせてから、ゆっくりと柱の陰から出てくる。





「………アスカか?」





角を曲がってきたクオンは、薄暗い廊に佇むアスカを見つけた。