天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

いつになく冷然とした低いクオンの声に応えたのは、太い男の声だった。





「………しかし、ですな。


前にもお話ししました通り、貴方様にとっても、悪いお話ではないですぞ」





「………いえ。


私は、お受けするつもりは毛頭ございませんよ。



ですから、先日の祝宴でのようなことは本当に困ります。


了承もとらずに勝手に連れてきて、無理に二人きりで会わせるなど、騙し討ちのようなものではありませんか」





クオンの声は小さかったが、抑えきれない怒りと不機嫌が滲み出ていた。





(珍しいな、クオンが感情をあらわにするなんて………)





クオンはいつも穏やかで、他人に対して感情をぶつけるようなことはなかった。





アスカは、いつもと違う兄の様子に首を捻る。