天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

(…………?)





アスカは足を止め、本能的に身を隠した。



角の向こう側から聞こえてくる低い声音には、明らかに、人目を忍ぶ密談の響きが感じられたからだ。





(………誰だ?


なんの話だろう……)





別に盗み聞きをしようなどというつもりはなかったが、単純な好奇心から、思わず聞き耳を立ててしまった。






「…………だから。


その話はお断りしたはずでしょう」






まず初めにアスカの耳に飛び込んできたのは、兄皇子の声だった。






(………え、クオン……?)






なぜ兄が、こんな朝早くに、こんな所で、こそこそと話をしているのか。



相手は一体誰なのか。




アスカはにわかに緊張し、耳を澄ました。