天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

ミカゲの部屋がある方向へ向かうには、クオンの私室の前を通る。




最近は公務が増え、毎日疲れきった顔で部屋へ帰ってきているらしい。



きっとまだ熟睡しているだろうと考えて、起こさないように足音を忍ばせてゆっくり歩いた。





ちょうど兄の私室前まで来ると、扉が開いたままになっていた。



何気なく中を覗き込むと、もぬけの殻だ。






(…………?


クオン、いないみたいだな。



一体どこ行ったんだろ?


こんな時間にーーー)






首を傾げつつ、アスカはその前を通り過ぎた。