天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

「―――な、なんですって?



影宮が………わたくしのカグヤが、いなくなってしまったというの?」






アサハが呆然としたように呟く。






「仰る通りでございます、妃殿下………」






アサハは重い身体を引きずるようにして、寝台から降り、タエの傍らに歩み寄った。






「いなくなるなんて………ありえないわ。


だって、まだ生まれて間もない赤子よ。

自分でどこかに行けるはずなどないわ。



きっと、何か手違いがあって、あなたの代わりに誰かが世話を見ているのよ」







自分自身を落ち着けようと、震える声でそう言った。




しかし、タエは涙を浮かべた目を上げ、アサハを見ながら首を振る。







「………いいえ、いいえ。


違うのです。



もう既に、全ての女官たちを一箇所に集めて、調べたのです。


誰一人、影宮さまのお世話をして差し上げている者も、そのお姿を拝見した者も、ございませんでした………。



影宮さまはーーーかどわかされてしまったのです」