(アカネ………)





タツノはもはや呆然とした思いで、チキュを見つめる。






(こいつ、一体………。

どんだけ前向きなんだ?


その確信は、どこから来るんだ?)






ーーーこんな女、見たこともない。



いや、男でも、こんな奴はいない。





まるでチキュが得体の知れない奇妙な生き物のように思えてくる。







しかし、タツノは、ふと光宮のことを思った。






(あの方ーーーアカネと瓜二つの、白の皇女。


あの方は、不思議な力で人々の心を清めるという。



………まあ、俺はそんなもの信じてもいないが。



しかし、つまりあの方には何か、人にそう思わせる魅力があるんだろう。



………こいつにも、どこか、常人とは異なる不思議な力があるのかも知れないな)






タツノはそう考えて、ひとり得心した。