チキュは意外にも、落ち着いた表情だ。




タツノは不思議に感じて、チキュの様子をじっと見つめる。




しばらくの沈黙のあと、チキュが静かに口を開いた。






「………ってことは。


ウチューは今、ここに……天国にいるってことか?」





タツノは微かに頷いた。





「ーーーどんな状態かは、分からないけどな……」





するとチキュは、ぶんぶんと首を横に振る。





「いや、大丈夫だ。


ウチューは無事だ。



死んでなんかいるはずない。



………オレ、わかるんだ。


だって、ちっちゃいときからずーっとウチューに育ててもらったんだぞ?



ウチューに何かあったら、オレ、絶対に分かるもん」





根拠もないその自信と、屈託のない笑顔に、タツノは息を呑んだ。