タツノには、もちろん見当がついていた。



チキュはまだ、諦めていないのだ。




大事な家族ーーーウチューとセカイを、探しているのだ。





だから、攫われてきたも同然なのに、ここに残っている。






タツノは、意を決して口を開いた。






「………アカネ。


確証がなかったから、今まで黙っていたんだが」





「ん?」






チキュは大きな瞳でタツノを見上げる。





「ウチュー、だったか。


お前を育てたあの男ーーー。



この天宮のどこかに、いるかも知れない」






「ーーーっ!」





チキュの双眸が大きく見開かれた。






「………どういうことだ?」