タツノは動きを止め、じっとチキュを見つめた。






「………痛い所を突いてくるなぁ……。


アカネ、お前、鈍いんだが鋭いんだか。



そんな風に言われてしまったら、さすがの俺でも、匿ってやるから結婚しろ、だなんて言えないじゃないか」






タツノはふぅ、と溜息を吐く。




チキュはにかっと笑った。






「なぁ、オレさ、まだここにいたいんだ。


色々知りたいこともあるし………大事な探し物があるから」






「探し物?」





「うん。探し物。

ずいぶん前に失くしちゃって、どこにあるか、全くわかんないんだ。



………でも、絶対に、どこかにあるはず。


まだ無くなってなんかいない。



ここにいれば、いつか手がかりをつかめそうな気がする………」