天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

そこに、朝食の霞を取りに行っていたサヤが戻ってきた。



チキュがタツノの髪をつかんで引っ張っているのを見て、驚いたように声をあげる。





「まあ、アカネ様。


タツノ様の御髪が傷んでしまいますわ。

天宮中の姫君たちが憧れておられる、美しい御髪ですのに」





「はぁっ!?

こんな自分勝手な奴の髪なんて、どーなったっていいんだよ!!」





「ほう、じゃあお前、俺が姫君たちに嫌われたらどうしてくれるんだよ。

責任とってくれるんだろうな」





「なんだよ、責任って」





「俺と結婚して、跡継ぎを産むことさ」





「はぁあっっ!?

ふざけんなよ、寝言は寝て言えって言ってんだろ!?


なんでオレがあんたとケッコンしなきゃなんねーんだよっ」







あまりにも素っ気なく強情なチキュに、タツノはだんだん腹が立ってきた。