天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

子を成す女体の偉大なる神秘について、言葉を選び選びチキュに語りながら、タツノはつらつらと思う。




(………ウチュー、だったか?


アカネを育てたその男、なんという徹底ぶりだ……)





毛髪のない奇妙な風貌と、不思議に力を持った深い双眸を思い出す。





(性別に関して、女性の体に関して、いくらなんでも、ここまで無知ということがありうるか?


どれだけ箱入りで育てたんだ………)






タツノはむしろ呆れてしまった。




それほどに、チキュは無知で純朴だった。