天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

「さて、アカネ。

男と女の違いって、分かってるか?」




「は?」




唐突な問いに、チキュは目を丸くした。


あまり考えたことのない問題だったからだ。





「男と女の違い………??


そりゃぁ〜………髪の長さとか、服とか?」





タツノは微かな苛立ちを抑えつつ言う。





「そうゆうことではなく!!

髪は伸ばすのも切るのも、どんな服を着るかも、個人の自由だろう!


ーーーもっと本質的な、自分の意志では変えられないような、肉体的な違いだよ」





それを聞いて、チキュは目を光らせた。





「あ、分かったっ!!

あんたが言いたいのは、おっぱいのことだろ!?」





タツノはがくんと肩を落とした。





「………う、うむ。

そ、そうそう。


確かに間違ってはいないんだが………。



お前、せめてもっと恥じらった言い方しろよ………」





チキュはきょとんとする。





「恥じらった言い方って、どんな?」



「………そりゃぁ、胸、とかさ」



「ほう。胸、ね。覚えとくよ」





チキュは興味深げにうんうんと頷いたが、タツノは頭を抱えていた。