天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

「えっ………。


月のもの、でございますか」






腑に落ちないような表情で、タツノを見上げる。





「そうだ」




タツノは小さく頷いた。



サヤは首を傾げ、少し戸惑いながら、さらに訊ねる。





「………月のもの、と言いますと………。


あの、女性ならではの?」





「そうだ!」





タツノの意を汲んだサヤは、そこで、はて、と頬に手を当てる。






(お着替えからお湯浴みまで………。


アカネ様の身の周りのお世話を仰せつかってから、もう三月ほどが経つけれど)






サヤはさらに首を傾げながら、答えた。





「………そういえば、そのようなお振る舞いは、一度もございませんでした」





サヤの返答を聞いたタツノは、とうとう両手で頭を抱えて項垂れた。





「〜〜〜なんてことだ………」





(まさかとは思ったが………不安が的中してしまった!!)