天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

しかし、なんとか気持ちを奮い立たせて、残された一縷の望みに懸けることにする。






「…………いや。


ちょっと待て、アカネ。



俺が訊いてる月ってのは、お空に浮かぶあのお月様のことではなくて。




だから………。


あぁっ、回りくどい言い方はやめよう!



月のものがあるか、ってのは、つまりだなぁ。




えーと、毎月のものだよ、毎月のお客さんてやつだな。


毎月、決まった日に来るアレのことだよ!


………お前にだって、来るだろ?」






それを聞いて、チキュはさらに怪訝そうな顔をした。






「…………はぁあぁ??


だから、なんの話だよ!?



毎月決まった日に来るお客さん!?


意味わかんねーっ!!」






分からないことを考えるのが大の苦手なチキュは、タツノの言葉を理解することを放棄した。




そしてそのまま、特別に用意してもらっている手水鉢の水で、ざばざばと顔を洗い始めた。