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どことはない圧迫感をおぼえて、チキュは眉を顰めて瞼を上げた。
「………う。くるし……」
手の甲で重い目をこする。
「………なんだぁ……?」
息苦しさの正体は、すぐに分かった。
タツノが、臥せているチキュの身体の両側に手を付き、その長身を屈めていたのである。
「………またあんたかぁ」
ふぁぁ、と大きな欠伸をしながら言うチキュを、タツノは溜め息を吐きながら見つめた。
「色気のない寝起きだなぁ、アカネ。
婚約者の愛撫で目覚めて、大欠伸か」
「はぁ? あいぶぅ?
なんだそりゃ。
………ってか、なんだよ、コンヤクシャって。
いつまで寝言いってんだ」
チキュは眠そうな顔で、身体の上に覆いかぶさっているタツノを邪険に腕で押しのけた。



