天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

タツノは遠慮会釈なく口上を述べたが、それでもムラノは軽々しく真実を打ち明けるつもりはなかった。



それはあまりにも、重い真実だからだ。



だんまりを決め込んだらしい父に、タツノは溜め息を吐いた。





「………仕方がありませんね。


でもまぁ、俺は自力で調べ上げてみせますけどね。



人の口に戸は立てられぬ、と言いますから。


どこぞから、情報は漏れ聞こえてくるものです」





タツノはそう言い捨てた。



身を翻して立ち去ろうとした息子を、ムラノは呼び止める。





「………なんですか。


もうご意向が変わられましたか」





挑発的に見下ろしてくるタツノに、ムラノは「いや、別件だ」と呟く。