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タツノは冷ややかな視線を、実の父に落としていた。
跡継ぎ息子を平然と見つめ返すムラノの表情には、僅かながらに焦燥が見え隠れする。
「………真実を、教える気はない、ということですか」
タツノは不機嫌さを隠さずに横柄な態度で呟いた。
ムラノは答えない。
「隠しても、無駄だと思いますがね。
アカネ本人が見てしまったのですよ。
自分と瓜二つの皇女を。
いくらあいつが単純で鈍感だといっても、さすがに自らの出自を疑っていることでしょう。
創世神の化身として、天国中の崇拝を集めている『白の皇女』光宮ミカゲと、自分の容姿が生き写しのようだという事実。
ーーーそれが一体、何を意味しているのか………」



