天と地の叙事詩Ⅲ Epic of the Ether

ーーーあのな。


生きてると、なんでも起こりうるんだ。




自分のこととか、家族のこととか、友達のこととか、信じるのもだけど。



もっと難しいのは、運命を信じることだ。




ーーー運命を、信じる……?





ーーーそう。


自分の、運命。


自分の、人生。



それを信じるのは、本当に、難しい。




なんで、こんなことが起こるんだ?


もっと悪いことが、起こるんじゃないか?



もういやだ、こんな運命、こんな人生、信じられない……。




そういう風に、自分の運命を疑って、自分の人生を信じられなくなること、あるんだよ。





ーーーふぅん……。




ーーー人のことだったら、信じるのはそこまで難しくない。



だって、顔が見えるし、話し合えるから。


こいつは信頼できる、って分かるだろ?




でも、運命は、そうはいかない。



俺たちの預かり知らぬところで、俺たちの人生をあやつっているんだから。




だから、何を考えてるのか、何をするのか、全くわからない。



そんな得体の知れないやつ、信じられないだろ?





ーーーうん、そう言われると…。