「よしっ!」

「拓?」

「しようか、デート。」

そう言った拓は、まるでお姫様をエスコートするように片手を私に差し出した。


「俺の…かわいい彼女さん?」

私は拓の手を取って、立ち上がる。

「行こっか。」

「ん。俺の姫。」

歯の浮くようなセリフも、拓には似合ってしまう。なんて皮肉。



「…私の王子様……たっくん!(にこっ)」


「……ふざけた。ごめん。その呼び方はまじやめて。」