「たっくんの好みよくわかったよー」
「でもこれからも王子様でいてよねー」
「じゃあね、デート楽しんで」
………狐につままれるとは、このようなことか。
女子高生たちは何事もなかったかのように、店内の奥のほうのソファー席へと歩いていった。
ふにっ
「いひゃっ(痛っ)」
呆然としていたら、拓に頬をつねられた。
「よかったじゃん。愛奈可愛いって、」
「……は、はぁ。」
「でもアイツら、俺の好み笑った。むかつくわー」
「……へ、へぇ。」
「とりあえず、お店出ようか?俺ら注目の的だし」
ここでハッと我に返って、顔がカァーっと赤くなった。

