フラれ女と男子高校生



「まじ意味わかんないんだけど、」

「これってどうゆうこと?」

「ねえ、たっくんてば!」


子犬のようにキャンキャン喚く女子高生たち。


「あーもう、ほんとうるさいな。」

思わずビクッと身構えてしまいそうな拓の低い声に、女子高生たちも静かになる。

…いや、王子様の¨たっくん¨が、一変して裏の顔を見せたからか。


「…お前ら少しは察しろよ」

ふいに拓の腕の力が緩んだかと思うと、仕切り直しと言わんばかりに、今度はふわっと優しく抱き締められた。