私が拓の妹じゃないと察して騒いでいた女子高生たちは、元カレの言葉にそろって顔を赤らめた。 あー、結局みんな拓のことが好きだったんだ。 こんな状況下なのに、そんなことを冷静に思った。 そのとき、拓がニイッと頬をつり上げた。 あ、王子様が崩れた… 「俺も、彼女とデートしてもいいんですか?」 表情は仮面をかぶっていなかったけれど、声色は丁寧で優しい¨王子様¨のままだった。