「ね、早くいこ?生徒さんの邪魔になるし、」 そう言って元カレは、私の腕を引っ張って立たせた。 小さい私なんか、男の力にかなうはずがない。 ぐんっとひと引きされれば、私の体はもう、彼の支配下だ…。 「……っ…?」 そんな私の体の動きを止めさせたのは、空いていたもう片方の腕を引っ張る、もうひとつの力のせい。 そんな私に気づいた元カレは振り返り、抵抗する力の源である拓をイラッと睨み付けた。 「なに?俺さ、これから彼女とデートなの。お前もその中のどいつが彼女かしらねーけど、楽しめよ」