「アイが困ってるから」の拓の鶴の一声で、彼女たちの関心はまた私から拓へと移った。 ぼんやりと目の前の高校生たちを見ていると、若いっていいなぁ、素晴らしいなぁなんて思ったり。 こんなこと思うなんて、私もフケたな。 学年ふたつしか変わらないはずなんだけどね。 近頃の高校生の恋愛話って、こんなに生々しかったっけ? ……あ、私、地味ーに高校生活を送ってたから、知らなかっただけか。 そんなことを思いながら、すでに冷めきったコーヒーを飲んだ。 「…あれ、愛奈?何してんの?」