「でも、高校生に見えただけましじゃね?俺。」 ううっ…… それはそうかもしれないけど、でも… ため込んできたものを、外部にもらしたせいか、じわっと涙がわいてきた。 いつになったら私は大人になれるのだろうか。 隣を歩いていた男子高校生が、少し困ったようにまたあのハンカチを差し出した。 せっかく返したのに…意味ないね…。 「…っ……ごめんね。」 優しくされると余計に涙があふれる。 「別にいーけど、」 横に並んで歩いていたはずの彼が、ふいに目の前に憚った。 「…?」