ダブル・ブレイカーズ01

「なー!どーいうことよ!」

さくらはヒステリックに叫んだ。

「彼方くんの拳銃よね?」

さくらは銃に触れた。

「もしかして、今の銃声は彼方くんがあたしに、自分たちの状態を伝えるためじゃない?」

さくらは呟いた。

「でも、二人は例のギャンブルのところに行ったってことよね。あたしも行きたいっての!」

「行かせましょうか?」

「はぁ?」

さくらは突然の声に驚く。

そこには、柔和な印象の、猫を抱いている女性がいた。

「あなた――――――」

さくらは絶句した。娘のギャンブルの依頼を探偵事務所に持ち込んだ女性だった。

「貴女もギャンブルに行きたいの?」

「あなた、娘の精神が崩壊したところにあたしを誘うんです?」

「あいつ?あいつは、いらないの」

「どういう、わけ?」

さくらは尋ねた。

「彼は私の婚約者よ。でもね、あいつが邪魔」

「あいつ―――」

さくらは白いワンピースの少女を見た。