「よかった。この子、人見知りするの」

「誰がオレの居場所を?」

「女の子よ。探偵さんのお仲間?」

彼方は思い出す。

自分の知り合いの女の子。

(って、さくらじゃん)

彼方は自分を否定した。

「では、こちらが依頼書ですね」

「わかりました」

女性は支払い、シマと呼ばれる猫を抱いていった。

「あの人、どこかで?」

彼方はしばらく呆然とすると、

「まだ五匹の動物探し!」

思いだして走った。


「疲れた」

彼方は時計台の近くのベンチで、水を飲みながら呟いた。

五匹も動物探し。

おまけに、ひっかかれそうになった。

しかし、

そうになっただけで、彼方は無傷である。

「オレはなんで」

ひっかかれそうになったんだろうか