体に力が入らない。 立ち上がることもできない。 なんで…あたし、こんなんだっけ? 「立ち上がれない…」 「えっ、大丈夫?」 男の人は、腕を引っ張って立たせてくれた。 悪い人じゃないんだ…。 リビングの方へと歩いていく。 イスに、男の人と向かい合わせになるように座る。 「俺の名前、言ってなかったね。祐也(ゆうや)だよ。祐也って呼んで」 「あ…はい」