後ろ? ゆっくり振り返ると、ニコニコしている琉樹が視界に入った。 …でも、琉樹のことじゃないはず。 「後ろ、なんにもないよ」 あたしが香織の方を向いた時、後ろから手を引っ張られた。 「ちょ、ちょっと!あたし今…「ついてこい」 無理矢理引っ張られ、人影のない廊下に連れて来られた。 「羽奈。翔太ってやつか?あいつやめといた方がいい」