「 きにすんなって!俺はむしろゆうに会えて嬉しいよ!じゃあ少しもってくるな!」

そう言った海人の顔はリンゴのように真っ赤だった。

そして恥ずかしかったのか走って昼食を取りに行ってしまった。

そう言えば…

さっき吸入したっけ?!

私、海人が来て海人の笑顔みたら安心しちゃって、吸入しないで発作止んだんだ!

考えてると海人が昼食を持ってきた。

「持ってきたぞ!おかゆにしてもらっった!食べれそうか?」

正直、食べたくなかったけど、食べなければ薬が飲めないし、いつも『食べて?』って患者さんに言ってる医者の私が食欲ないなんて言えない…

「食べれるよ!」

「じゃあ、少しでもいいからがんばってな!」

「うん!」

スプーンをもっておかゆに手をつけるがなかなか進まない。

「…海人…?」

「ん?どした?もう食べれないか?」

「ううん。ちがう。見られたらはずい」

「そーか?」

「…うん。食べ終わったら呼ぶから」

「ん。わかった。なんかあったら呼んでな…?」

心配そうな目でこっちを扉が閉まるまで見ていた…いや、多分閉めてからも見てるだろうな…

場景が浮かんできて1人で笑ってしまった。

でも、食べなきゃと思うと顔がひきつっていくのがわかった。

食べなきゃ薬が飲めない。

食べなきゃ

お粥をスプーンで食べ始めた。

でも、なんだかお粥が喉に残ったままのようだった。

食べなきゃ、食べなきゃと思えば思うほど、気持ち悪さが増していった。