自分のかいた汗で濡れたパジャマが気持ち悪くなり目覚めた。

定期的に聞こえるピッピッという音。

見慣れた天井、カーテン。

間違いない、ここは病院だ。

しかも…私と海人が働いている、白井病院。

確か昨日は、午後の外来が終わったあと急に発作が出て座ってた椅子から崩れ落ちたんだっけ…

そんなことを考えていると聞き慣れた声がした。

「ぉぉ!ゆう、起きたか!」

「うん…おはょ」

「まだ怠そうだな」

昨日あんなに迷惑かけて…心配までさせたくない。

「全然!元気だよ!早く仕事に戻らなきゃっ!」

「無理すんな。顔色悪いから」

「だいじょうぶだよ!!!」

「大丈夫じゃねーだろ!!!!」

そんなにおこらなくたっていいのに…

「わかんないよ!海人には!ゴホッ…ぅ…ゴホッゲホゲホ…」

大きい声を出したからか咳が出てきた。

海人はほらな?とでも言いたげな顔…

「ゆっくり呼吸すれば大丈夫だから、な?」

「ゲホゲホ…ゴホッご…めん…ぅ」

「俺こそ言い過ぎたよ。ごめんな?でも、今の状態じゃ仕事出来ないだろ?だ
から、今日はしっかり休もう?な?」

「…ん…ぅん」

仕方なく返事をすると海人は私の頭を優しく撫でてニコッと笑った。

私は昔からこの笑顔に弱いんだ。

「じゃあ、秀よんでくるな?暴れるなよ?」

「そんな子供じゃないよ!笑」

「どうだか」なんて言って笑って部屋を出て行った。

秀っていうのは佐藤秀先生のことで私の主治医であり、先輩。海人とは幼なじみ。

少しすると廊下で凄い音がした。

ガシャーン!!

きっと真子だろう…

その物音がしたあとすぐに秀先生が入ってきた。しかし、その顔は苦笑い…
理由はただ一つ…

「また、真子ですね?」

私が聞くと主語が無くてもすぐに理解したようで
「ああ。ったくよ、お前に似るのは良いけどドジまで普通似るか?!」なんていって大笑いしてるし。

「私、あんなにドジじゃないですよ笑」

「いや、優希も負けてないって!」
と言って入ってきたのは川井美和。
私の幼なじみで、美和は白井病院の隣の薬局で薬剤師をしている。

隣って言っても建物自体は繋がってるんだけどね。

「なんでここに美和?!」

「帰る時丁度優希が倒れたって噂を聞いてさ!!駆けつけてきたわけ!!」

「ありがとう笑でも大したことないから大丈夫!!」

無理矢理、口角をあげて笑う。

これ、私の癖。