私は部屋で一人、考え込んでいた。
分かってたつもりだった。
婚約するってことは、子供のお嫁さんごっこじゃない。
デートして、手をつないで、はしゃぎ合ってるだけの無邪気な遊びじゃないってことを。
でも、私はどこかで甘えていたのかもしれない。
このまま、ずっとこのままで、心だけは夏目のもとから離れずにいられると。
初めてあんな風にキスされて、初めて愛してるなんて言われて。
でもちっとも、ちっとも嬉しくなかった。
そんなんじゃなくて。
夏目と生物の話をしたり、一緒にバスを待ったり、ご飯食べながら笑いあったり……。
そういうことの方がずっとずっと大切だった。
つまりまだ、私は愛なんて知らない、子供にすぎなかったのだ。
消えてなくなりたい、と思った。
魂だけになって、いつも夏目のそばにいて。
そうすれば心の痛みも、何もかもが私から抜け落ちていくだろう。
そして最後に残るのは……ハンカチと私の想い、それだけなんだ。
分かってたつもりだった。
婚約するってことは、子供のお嫁さんごっこじゃない。
デートして、手をつないで、はしゃぎ合ってるだけの無邪気な遊びじゃないってことを。
でも、私はどこかで甘えていたのかもしれない。
このまま、ずっとこのままで、心だけは夏目のもとから離れずにいられると。
初めてあんな風にキスされて、初めて愛してるなんて言われて。
でもちっとも、ちっとも嬉しくなかった。
そんなんじゃなくて。
夏目と生物の話をしたり、一緒にバスを待ったり、ご飯食べながら笑いあったり……。
そういうことの方がずっとずっと大切だった。
つまりまだ、私は愛なんて知らない、子供にすぎなかったのだ。
消えてなくなりたい、と思った。
魂だけになって、いつも夏目のそばにいて。
そうすれば心の痛みも、何もかもが私から抜け落ちていくだろう。
そして最後に残るのは……ハンカチと私の想い、それだけなんだ。

